超人になれなかった人間達
ニーチェの超人思想をご存じだろうか?超人と聞くとスーパマンのような地球を救うヒーローなようなものを想像しがちだがニーチェの言う超人というのはそれとは異なる。
超人というのはこの世界にはこびるあらゆる善と悪の価値構造を破壊し自らが価値基準の創始者となる者だ。これが分かるとニーチェの言う有名は言葉「神は死んだ」ということが自ずと理解できるだろう。では、なぜ凡人ではなく超人になる必要があるのか?
凡人は既存の価値基準の奴隷だ。皆と同じことをするのに安心感を持ち決まりを破ることに怯え既存の価値基準にすがりついて生きている。そしてその決まりを破った者を見出した途端に糾弾する。
自分は決まりを守っているのにあいつはなんなんだ!
このような凡人共の批判的姿勢をニーチェはルサンチマンと呼んだ。
よってこのようなルサンチマンに翻弄されずに自分の自由な選択を行いさらにそれを肯定していくには超人になる必要があることが結論づけられる。
ニーチェは超人へのなり方については言及していない。それは各々が自ら決めていくことだからである。
一方で世間一般のニーチェに対する評価はあまりよろしくない。原因としてはナチスドイツによる大量虐殺だ。彼らの主張を見てみよう。
「俺達は超人だ!何でも自分で決められるんや!ユダヤ人気にいらんから殺したろ」
これはニーチェを理解できていない。そのような結論が出る訳がないのだ。
なぜなら殺人という行為の動機は弱者のルサンチマンによるものだからだ。超人がルサンチマンを持ち得る訳がなく明らかに矛盾である。
このようにニーチェを分かっていない者達のせいでニーチェの評価が下がるのは非常に不快だ。受け取り手のほうに問題があるのは明らかだろう。
超人になっても殺人鬼になることは決してない。何者にも捕らわれない自由な存在…あなたも志してみてはいかがだろうか?