測度0なブログ

数学、映画・本の感想・解釈 あくまで個人の見解です。

なんで(-1)×1=-1 ?

超絶寝不足だ。不眠症のためか朝の6時に寝るなんてことがざらにある。それで次の日に8時に起きなければならないとなるともう地獄だ。

バイト中だが暇すぎてこのブログを書いている。今回は中学生が習う数学の話だ。

 

さて、中学に入ると負の数と言うものを勉強するがそのとき数学の教師は

マイナス×プラスはマイナスだ!

ということを声を高々にして言う。自分は素直に受け入れていたがこのことに疑問を覚えたものも多いのではないだろうか?この事実は数学的にきちんと証明できる。しかし、そんなことを中学でやろうものなら途端に数学恐怖症に陥るものが大いにいることは想像に難くない。中学に置き忘れてきた宿題をここで解決しよう。小学生以来慣れ親しんできた算術についての規則をここで復習しておく。

 算術規則

(i)和に対しての単位元の存在。すなわち任意のa\in\textbf{R}に対して

                                              a+0=a

となる0というものが存在する。\textbf{R}は実数全体の集合を表す。

 

(ii)和に対しての逆元の存在。すなわち任意のa\in\textbf{R}に対して

            a+(-a)=0

となるような-a\in\textbf{R}が存在する。

 

(iii)積に対して分配法則が成り立つ。すなわち任意のa,b,c\in\textbf{R}に対して

            a×(b+c)=a×b+b×c

が成り立つ。

 

 

馴染み深いものばかりだろう?実はこれらを用いることで証明をすることが出来る。早速見ていこう。

a×0=0が成り立つことの証明

まず、任意のa\in\textbf{R}に対してa×0=0が成り立つことを証明しよう。0に何を掛けても0という事実だ。これもみんな常識的に使っていることだろう。

 

任意のa,b\in\textbf{R}に対して

                     a×b=a×(b+0)

ここで和に対しての単位元の存在を用いた。さらに分配法則から

                    a×(b+0)=a×b+a×0

となる。結局

                   a×b=a×b+a×0

が成り立つことが分かる。この両辺にa×bの逆元を加えれば

     a×b-(a×b)=a×b-(a×b)+a×0\Leftrightarrow 0=0+a×0=a×0

となりa×0=0が示せた。この証明の本質的な部分は1番最初の式変形でこれによって分配法則を用いることを可能にしている。さて、今示した事実を用いれば(-1)×1=-1を証明できる。先程の証明と同じようにできるのでぜひチャレンジしてみてくれ。ヒントを出しておくと

                                                         0=a×0

となるが0の表し方は他になかっただろうか?それを右辺の0に代入してあとは先程と同じように出来る。

 

さて、いかがだっただろうか?こういう議論が面白いと感じたならぜひとも数学をやってみてほしい。高校や中学で数学が苦手だったなんてことは関係ない。受験のための数学も面白い部分もあるのだが人に勝つために勉強するのではなくあくまで自分の知的好奇心を満たすことが勉強の醍醐味であり数学はその舞台として最上級のものと言っても過言ではないだろう。